佳 作


雅やか王朝文化を紐とけば
   瞼のうらに斎王浮かぶ

     松阪市 山際キクエ


しずしずと進む群行見送りて
   老いも若きも往時をしのぶ

     明和町 山口綾子


斎野を照らす今宵の月光(かげ)に
   都恋かれし斎王偲ぶ

     明和町 田端幸子


花菖蒲香り満ちたる斎宮城
   姫の微笑む水無月の空

     京都市 長尾俊明


頓宮の泊り重なり斎王の
   都への思い如何に募りし

     明和町 田端一二三


最愛の弟君の遁れ得ぬ
   哀しき報せ如処に聞き給う

     明和町 西村昌恵